『シルバーアクセサリー体験教室』 原岡智代先生
――シルバーアクセサリーって、どんなふうに制作するのですか?
原岡智代先生 まず、純銀粘土を好きな形に成型します。
――高温で焼くのは専用の炉があるのですか?
原岡智代先生 そうです。
――教室で作った作品は原岡先生に預けて、焼いていただくのですか?
原岡智代先生 電気炉を持ってきていますので、教室で焼きます。
――では、受講するたびに毎回、作品が完成するのですか。
原岡智代先生 手が早い方ならできますが、でも、およそ1回の教室で完成されることは難しいですね。
――銀細工って、純銀粘土から仕上げる作品と、銀の延べ棒のような塊から打ち出して作る方法がありますね。
原岡智代先生 打ち出して作っていくのは彫金技法と言います。彫金技法でシルバーアクセサリーを作る場合は、主に925という素材を使います。
――今日の原岡先生の指輪もご自身の作品ですよね。どのように制作するのですか?
原岡智代先生 この作品は羽の形のプレートを利用して作っています。細かな溝のデザインは、自分で調整をしていきます。ですから、原型は共通でも細部においてオリジナルさを発揮できます。もちろん、型がない状態から制作していく本格的な工程も学べます。
――型を使う場合でも、細部の調整に心を配る。そこが個性ですね。
原岡智代先生 そうですね。この部分をどう扱うかで制作日数は変化します。 指輪の制作は、乾燥体や焼きあがった時に細かなひびが入ることがあります。これを修正するという必要不可欠な作業がありますので、手を抜くことはできません。ひたすら丁寧に作業することが、上達のコツです。
――乾燥体で気に入らないと粘土に戻せますか?
原岡智代先生 戻せると言う先生方もおられますが、私の経験では指輪などを、戻した純銀粘土を使ってみたところ、細かなひびの影響をかなり受けることが分かっています。 ですから戻した純銀粘土は、ひびを埋めるのりとして使うなどの方法が適していると思います。作品本体は新しい純銀粘土で作り直すのが、望ましいと思います。
――モノとしての美しさがあり、作る喜びがあり、楽しそうですね。
原岡智代先生 そうですね。でも、それだけではないのです。仕上がったアクセサリーも大切に可愛がってもらえればこそ、より美しく輝くのだと思います。 モノでも、人との関係でも、大切にしてきたことだけが残ります。 使う人も、使用してもらうアクセサリーも、幸せな気持ちになれる作品を作り続けたいですね。
Fin.
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